FAQ

よくある質問

Q

ばら積みピッキングロボットの導入事例を教えてください。

A

トライテクスでは、以下のような導入実績があります。

  • 自動車部品メーカー:金属部品のばら積み供給を自動化。サイクルタイム30%短縮。
  • 食品工場:パッケージ商品のばら積み仕分けをロボット化。衛生性とスループットを両立。
  • 電子部品メーカー:不規則形状部品のピッキングを実現。人手作業を80%削減。

これらの成功事例は、ロボコラボ(https://robo-colab.com/)自動機・省力化機械受託製造.com(https://www.automatic-transferring-machine.com/) にて詳細をご覧いただけます。

ばら積みピッキングロボットシステムについて

製造現場における「ワーク投入」の工程は、未だに人の手に頼らざるを得ないケースが多く存在します。特に、プレス部品や鍛造品などがコンテナに山積みされた状態から、一つずつ取り出して機械へセットする作業は、単純ながらも形状の複雑さゆえに自動化が難しい領域でした。

人手不足が深刻化する中、この課題を解決する手段として「バラ積みピッキング(ビンピッキング)」が注目されています。しかし、3Dカメラとロボットを導入すればすぐに自動化できるわけではなく、「認識エラー」や「チョコ停」に悩まされるケースも少なくありません。

本記事では、協働ロボット・自動化システムの概要から、バラ積みピッキング特有の技術的課題、パーツフィーダーとの違い、株式会社トライテクスならではの特徴、そして実際の導入事例まで解説します。失敗しない自動化ライン構築のヒントとしてご活用ください。

バラ積みピッキング(ビンピッキング)とは? 仕組みとメリット

「バラ積みピッキング(Bin Picking)」とは、コンテナや通い箱の中にランダムに山積みされたワーク(部品)を、3Dマシンビジョン(カメラ)とロボットアームを組み合わせて自動的に取り出し、次の工程へ供給する技術のことです。

これまでの産業用ロボットは、位置が固定された整列状態のワークしか掴むことができませんでした。しかし、画像処理技術とAI認識の進化により、まるで人間のような「目」と「手」を持つシステムが実現し、多品種変量生産を行う中小製造業での導入が進んでいます。

3Dマシンビジョンとロボットの連携フロー

バラ積みピッキングシステムは、一般的に以下のプロセスで動作します。

1. 撮像(3Dスキャン):ロボットの手先や上部に設置された3Dカメラで、箱の中のワークを撮影し、3次元の点群データを取得します。
2.認識・照合: 事前に登録したワークの3D CADデータと点群データを照合(マッチング)し、ワークの位置・姿勢を特定します。
3. 経路計算:どのワークが一番取りやすいか、どの角度でハンドを入れれば箱や他のワークにぶつからないか(干渉回避)を瞬時に計算します。
4. ピッキング(把持):ロボットがアプローチし、ハンド(グリッパーや吸着パッド)でワークを掴んで取り出します。

この一連の動作を数秒〜十数秒のサイクルで行うことで、人手に代わる安定した供給が可能になります。

パーツフィーダー(整列供給機)との違いと使い分け

従来、バラ積み部品の供給には「パーツフィーダー(振動ボウル)」が使われてきました。振動によってワークを整列させる確実な方法ですが、近年の製造トレンドにおいてはデメリットも目立つようになっています。

両者の特徴を比較すると以下のようになります。

比較項目バラ積みピッキング(3Dビジョン+ロボット)パーツフィーダー(整列供給機)
多品種対応得意

(プログラム切り替えのみで対応可能)

不得意

(ワークごとのボウル交換・調整が必要)

段取り替え数秒(タッチパネル操作のみ)数十分〜数時間(物理的な交換作業が必要)
ワークへの負荷少ない(優しく掴む)大きい(振動による打痕・キズのリスクあり)
騒音静か大きい(振動音・金属接触音)
コスト初期投資は高めだが、汎用性が高い専用機のため安価だが、品種追加ごとに費用発生

特に、多品種少量生産を行う現場や、キズを嫌う精密部品、油が付着していてパーツフィーダーでは滑りやすいワークの場合、バラ積みピッキングに軍配が上がります。

中小製造業が「協働ロボット」で実施するメリット
バラ積みピッキングを行うロボットには、安全柵が必要な産業用ロボットだけでなく、「協働ロボット」を採用するケースが増えています。

協働ロボットは、人と同じ空間で作業ができる安全機能を備えているため、大掛かりな安全柵を設置する必要がありません。そのため、通路幅が狭い既存工場の加工機前など、**「人が立っていたわずかなスペース」**にそのままロボットシステムを後付けすることが可能です。
また、万が一のトラブル時も、人が隣で容易に復旧作業を行えるため、ロボット専任者がいない現場でも運用しやすいというメリットがあります。

なぜ「バラ積み自動化」は失敗しやすいのか? 現場の壁

バラ積みピッキングは、FA(ファクトリーオートメーション)の中でも最高難度の技術の一つと言われています。「最新のAI搭載カメラを買えば、すぐに自動化できる」と考えて導入を進めると、現場環境との不一致により、稼働後にトラブルが多発するケースが少なくありません。

導入検討段階で知っておくべき、代表的な3つの「壁」について解説します。

3Dビジョンの死角と「認識エラー」の壁

3Dカメラは万能ではありません。特に金属部品を扱う現場では、ワーク表面の「光の反射(ハレーション)」や「油の付着」が認識精度に大きく影響します。
例えば、切削加工後のピカピカに光るワークに照明を当てると、反射光がカメラに入りすぎて白飛びし、形状データが欠損してしまうことがあります。逆に、黒皮のワークや鋳物は光を吸収しやすく、十分なコントラストが得られないこともあります。
また、コンテナ(通い箱)の四隅や壁際はカメラの死角になりやすく、そこに残ったワークを「ワークなし」と誤判定したり、あるいは認識はできても「取りに行けない」と判断されたりするケースも頻発します。これを解消するには、適切な照明選定や、カメラの取り付け角度の微調整といった、現場での泥臭いすり合わせが不可欠です。

ワークが絡まって「取り出せない」物理的な壁

画像処理上で「ここにワークがある」と正しく認識できたとしても、ロボットが実際にそれを取り出せるとは限りません。
バラ積みの状態では、ワーク同士が複雑に絡み合っていたり、重なり合って下敷きになっていたりします。バネやフックのような形状の部品であれば、一つ持ち上げると数珠繋ぎになって他のワークも持ち上がり、搬送中に落下してライン停止を引き起こすリスクがあります。
さらに、ハンド(エンドエフェクタ)がワークを掴みに行く際、ハンドの一部がコンテナの縁や隣のワークに干渉(衝突)してしまうため、計算上「掴めるワークがない」と判断され、まだ箱の中に部品が残っているのにロボットが停止してしまう「チョコ停」も、バラ積みピッキング特有の課題です。

サイクルタイム(タクト)が間に合わない問題

バラ積みピッキングは、通常の定点ピック&プレースに比べて処理時間がかかります。
「3Dスキャン → 点群データ処理 → 3Dマッチング → 把持計画の計算 → ロボット動作」という一連の処理に、数秒単位の時間を要するためです。
例えば、5秒に1個のペースで加工機へ投入しなければならないラインにおいて、ピッキング処理に7秒かかっていては、自動化によってかえって生産効率が落ちてしまいます。カタログスペック上の「最速処理時間」は理想環境下の数値であることが多く、実際の現場では外乱光の影響や干渉回避計算により、想定よりも時間がかかることが大半です。

株式会社トライテクスが提案する「止まらないバラ積みライン」の作り方

前述のような失敗を回避し、確実に稼働する自動化ラインを構築するためには、単に高性能なロボットやカメラを選定するだけでは不十分です。
株式会社トライテクスでは、ロボットSIerとしてのインテグレーション力に加え、自動機・省力化機械の設計製造ノウハウを活かし、「周辺設備まで含めたトータル提案」で課題を解決します。

最適な「目(カメラ)」と「手(ハンド)」の選定・設計力

バラ積みピッキングの成功率(ピック率)を左右するのは、実はロボット本体よりも「ハンド(把持部)」の設計です。
トライテクスでは、市販のハンドをそのまま取り付けるのではなく、対象ワークの形状や重心、材質に合わせて、最適な「爪(フィンガー)」をオーダーメイドで設計・製作します。
例えば、入り組んだバラ積み状態からピンポイントで抜き取るための「細長い爪」や、吸着と把持を組み合わせたハイブリッド機構など、独自の工夫を凝らすことで、干渉リスクを最小限に抑えつつ確実な把持を実現します。
また、3Dビジョンにおいても特定のメーカーに依存せず、Canon、Mech-Mind、Photoneo、Keyenceなど、国内外の主要メーカーから、お客様のワーク特性と予算に最適な機種を選定します。

ロボット周辺の「ワーク供給・排出」まで一貫対応

「ロボットがバラ積みから取り出した後」の工程も重要です。取り出したワークの向きがバラバラであれば、そのままでは加工機にセットできません。
トライテクスは、自社運営サイト「自動機・省力化機械 受託製造.COM」でも紹介している通り、搬送装置や専用機の設計・製造を自社で行える強みがあります。
そのため、以下のような「ライン全体の最適化」が可能です。

供給側:コンテナ内のワークが減ってきたら、自動で箱を傾けたり振動させたりして、ロボットが取りやすい位置にワークを集める「箱寄せ機構」を付加する。
排出側:ロボットが取り出したワークを置くための「仮置き台(位置決めステージ)」や、次工程へ送るための「整列コンベア」をセットで製作する。

ロボット単体ではなく、前後の装置も含めて一社で責任を持って構築するため、つなぎ目のないスムーズな自動化ラインが実現します。

自動機・省力化機械 受託製造.COMの製品事例はこちら
(https://www.automatic-transferring-machine.com/product/)

導入前の「実機検証」でリスクを排除

バラ積みピッキングは、カタログ上の検討だけでは成否判断が難しい技術です。そのため、トライテクスでは導入前に必ず実機を用いた検証(PoC)を推奨しています。
自社ショールーム「ロボコラボ」には、協働ロボットや3Dビジョンの実機を常設しており、お客様のワークをお預かりして「実際に認識できるか」「タクトタイムはクリアできるか」をテストすることが可能です。
この事前検証により、投資したのに動かないという最悪のリスクを排除し、納得いただいた上で導入を進めることができます。

>>ロボコラボの見学・実機デモについてはこちら
(https://robo-colab.com/)

【導入事例】協働ロボット×自動化設備の連携

バラ積みピッキングを成功させるためには、ロボット単体ではなく、前後の工程を含めた「システム全体」としての整合性が重要です。株式会社トライテクスがどのようにして「止まらないライン」を構築しているのか、関連する技術事例をご紹介します。

事例1:協働ロボットによる自動化システムの構築

バラ積みピッキングを含む自動化ラインでは、「ワークを投入する」「加工機から取り出す」「整列させて次工程へ送る」といった一連の動作を、協働ロボットが中心となって行います。
トライテクスの「ロボコラボ」では、工作機械へのワーク脱着や、検査工程への搬送など、多様な自動化システムの実績があります。特に、NC旋盤やマシニングセンタといった既存設備に対し、安全柵なしでロボットを設置し、省スペースで無人化を実現するインテグレーションを得意としています。

>>協働ロボットの導入事例一覧はこちら
(https://robo-colab.com/case/)

事例2:ロボットを支える周辺搬送装置の製作実績

バラ積みピッキングにおいて見落とされがちなのが、「ピッキングした後」の搬送です。ロボットがランダムな向きで取り出したワークを、次の工程(加工機や検査機)へ正確に受け渡すためには、位置決めを行う「治具」や、タイミングを合わせて搬送する「コンベア・ストッカー」が不可欠です。
トライテクスは、自動機・省力化機械の受託製造において長年の実績があり、ロボットの手元に合わせた専用のシュートや、ワークを傷つけずに搬送するコンベアシステムを内製化できます。
これにより、「ロボット会社」と「コンベア会社」の間に落ちるボール(責任の所在が不明確な領域)をなくし、トラブルのない安定した稼働を保証します。

>>自動機・省力化機械の製品事例はこちら
(https://www.automatic-transferring-machine.com/product/)

導入までの流れと、見積もりに必要な情報

バラ積みピッキングシステムの導入は、通常の定点搬送ロボットに比べて事前の検証工程が重要になります。お問い合わせから導入までの標準的なステップは以下の通りです。

1. ワーク診断・実機検証(PoC)

まずは「対象のワークがカメラで認識できるか」「ロボットハンドで把持できるか」を検証します。
ロボコラボのショールームにて、お客様の実際のワークを用いたテストを行い、認識成功率やサイクルタイムのシミュレーション結果を提出します。この段階で「自動化が可能か否か」を明確に判断します。

2. システム構想・お見積り

検証結果に基づき、最適なカメラ、ロボット、周辺設備(架台、ストッカー、安全機器など)を含めたシステム全体の見積書と構想図を提出します。

3. 設計・製作・ティーチング

正式発注後、詳細設計と装置の製作を行います。トライテクスの工場内でシステムを仮組みし、実稼働に近い状態でティーチング(動作プログラム作成)と調整を行います。

4. 搬入・据付・立ち上げ

お客様の現場へ搬入し、据付工事と最終調整を行います。操作説明を実施し、本稼働を見届けた上でお引き渡しとなります。

よくある質問(FAQ)

バラ積みピッキングの導入検討において、お客様から頻繁にいただくご質問をまとめました。

Q. 油が付着したワークでも認識できますか?

A. はい、可能です。ただし、油の反射具合によっては、通常の照明では認識が難しい場合があります。その際は、偏光フィルターの使用や、反射に強い3Dスキャナーを選定するなどの対策を行います。事前の実機検証にて、確実に認識できるかを確認させていただきます。

Q. どのような形状のワークでも対応できますか?*

A. 非常に薄い座金(ワッシャー)のような部品や、透明な樹脂部品、スプリングのように極端に絡まりやすい部品は、難易度が高くなります。この場合、パーツフィーダーとの併用や、電磁石ハンドの活用など、3Dビジョン以外の方法も含めて最適な手段をご提案します。

Q. 古い加工機を使っていますが、ロボットと連携できますか?

A. はい、連携可能です。加工機側にオートローダー用の信号線がない場合でも、機内スイッチへの配線工事や、外部IOユニットの追加などにより、ロボットとの信号のやり取り(インターロック)を構築できます。

バラ積み自動化で、現場の「人手不足」と「単調作業」を解消しませんか?

バラ積みピッキングは、カメラとロボットを買ってくるだけでは完成しません。「確実に見る技術」「滑らず掴むハンド設計」「止まらず運ぶ周辺設備」の3つが揃って初めて、現場で使える設備となります。

株式会社トライテクスは、ロボットSIerとしての技術力と、自動機メーカーとしての装置製造力を掛け合わせ、お客様の現場に最適な「止まらないバラ積みライン」をワンストップでご提案します。

「うちのワークは自動化できるだろうか?」
「他社で断られた案件だが、相談に乗ってほしい」

そのようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度「ロボコラボ」にご相談ください。ショールームでの実機デモ見学や、図面・ワーク送付による導入可否診断も随時受け付けております。